RME/Babyface Pro FS 使用感レビュー|プロレベルのオーディオインターフェイス

初心者のときに買ったオーディオインターフェイスを数年使っていて、次の音質の評判が良いオーディオインターフェイスの購入を検討していませんか?

プロレベルの音質と言われるBabyface Pro FSですが、私は購入してから一軍として使用しており、今や音楽制作に欠かせない存在です。

本記事では、Babyface Pro FSの特徴や音質、専用ドライバ”TotalMix FX”の魅力、よくある疑問について解説します。

RME「Babyface Pro FS」の特徴

まずは、Babyface Pro FSの本体スペックや同梱物を見ていきます。

本体スペック(重さ/サイズ/入出力端子)

ここでは本体スペック、主に重さ/サイズ/入出力端子について解説します。

本体サイズ幅107mm × 奥18.1mm × 高さ35mm
重さ680g
入出力端子12in / 12out
※内アナログ入出力が4in / 4out
サンプリングレート192kHz/24bit
PCとの接続端子USB2.0 (Type-A or Type-C)※バスパワー駆動
ヘッドホンアウト6.3mm(Phone)、3.5mmオーディオジャック※合計2つ

上記の通り、Babyface Pro FSは本体のみで680gあります。

本体のサイズを評価すると、オーディオインターフェイスとしては小型の部類で、特に高さ(本体の厚み)が最大35mmで抑えられているのは驚きです。

PCとの接続端子はUSB 2.0 (Type-A or Type-C)を採用しており、かつバスパワーで駆動するので別途電源を用意する必要はありません。

主要な端子の配置としては以下のようになっており、入力チャンネルに関する情報は青色出力チャンネルは紫色それ以外の全体設定に関わる情報は赤色で記載します。

端子の種類チャンネル数
アナログ入力XLR端子×2(バランス接続)
Phone端子×2(アンバランス接続)
合計4つ
デジタル入力ADAT/SPDIF オプティカル端子合計8つ
アナログ出力XLR端子×2
ヘッドホン端子×2(6.3mmと3.5mm)
MIDI端子※付属のブレイクアウト・ケーブルで入出力端子を使用
合計4つ
デジタル出力ADAT/SPDIF オプティカル端子合計8つ

入力・出力それぞれ12チャンネルありますが、デジタル入出力を使用しない場合は入力・出力でそれぞれ4チャンネルになります。

それぞれの端子の配置場所は以下の通りです。


本体上部にはXLR端子の入力チャンネル1・2と出力チャンネル1・2があります。

本体右側面にはPhone端子の入力チャンネル3・4とヘッドホンアウト(Phone端子と3.5mm)
があります。

本体左側面には電源端子、ブレークアウトケーブル接続用のMIDI端子、デジタル入出力用のオプティカル端子があります。

同梱物

Babyface Pro FSを買うと、以下の同梱物が付いてきます。

  • Babyface Pro FS本体
  • USB-B to Cケーブル(USB 2.0)※発売当初は同梱されていませんでしたが、現在正規販売代理店で流通している在庫には同梱されています。
  • USB-B to Aケーブル(USB 2.0)
  • MIDIブレイクアウト・ケーブル
  • ハードケース
  • 説明書
“RME”ロゴ付きのハードケース
本体の箱
USBケーブル
MIDIケーブル 

ハードケースはかなり頑丈で、フタの爪がかなり硬いので、カバンの中で誤って開封してしまうことはありません。

RME「Babyface Pro FS」の音質レビュー

次にBabyface Pro FSの音質について解説します。

ギターやベース、ボーカルを入力したときのマイクプリアンプの音質と、ヘッドホンやスピーカーを出力するときの音質に分けて解説します。

クリアでノイズレスなマイクプリアンプ

Babyface Pro FSのマイクプリアンプは、非常にクリア&ノイズレスで癖のない音質です。
(反対にNEVEやSSLのような、アナログアウトボードの質感はありません。)

2~3万円くらいの安価なオーディオインターフェイスも使ったことがありますが、それと比較するとブラウン管とハイレゾテレビぐらい違う気がします。

特にヘッドルームが広い(=入力できる音量に余裕がある)ので、使用しているオーディオインターフェイスで入力ゲインを上げるとすぐに音が割れてしまうと悩んでいる方におすすめです。

参考までに、Focusriteのオーディオインターフェイス”Scarlett”と録音した音の比較動画を貼ります。

USB-DACとしても定評があるヘッドホンアンプ

Babyface Pro FSから出力される音の特徴として、とにかく解像度が高いです。

オーディオインターフェイスなので、本来は音楽制作に使われる機材ですが、そのヘッドホンアンプとしての性能の高さから、オーディオマニアの間でもUSB-DACとして使用されています。

特に、ビンテージモデリングのコンプレッサープラグインを掛けたときの倍音の変化や、細かいイコライジング、Pan値1~2の変化も聴き取れるレベルの定位感など、ミックスマスタリングに欠かせない要素を超正確に表現してくれます。

正確なモニタリングはミックス/マスタリングの上達にも関係するので、極端な話Babyface Pro FSを使うことで良いミックス/マスタリングができると言っても過言ではありません。
(もちろん結局は自分の腕ですが、、、)

専用ドライバソフト”TotalMix FX”で多彩なルーティングを実現

TotalMixのコンソール画面

Babyface Pro FSをPCで利用するためには、専用ドライバソフト”TotalMix FX”をインストールする必要があります。(ドライバソフトは完全無料です。)

TotalMixは他のRME製品にも対応していて、非常に多機能・自由なルーティングができるソフトで、安定性と更新期間の長さが魅力です。

Windows/Mac問わず10年以上使えるサポート体制なので安心して購入に踏み切れます。

最近のハイエンドのオーディオインターフェースに多いのが、Thunderbolt接続だったり、ドライバが古いOSをサポートしていなかったりと、自分のPCで動作するのかわからないということが挙げられます。

※RMEのBabyface Pro FSで使用するドライバ”TotalMix FX”は、2023年12月時点でWindows Vistaでも動作します。

TotalMix FXについては、以下の記事で詳しい使い方を解説しています。

RME「Babyface Pro FS」のよくある疑問

最後にBabyface Pro FSに関するよくある疑問について説明します。

Babyface Pro FSの発売日は?

Babyface Pro FS日本国内では2020年1月に発売されました。

参考までに、旧型の初代Babyfaceは2011年発売、後継機のBabyface Proは2015年発売です。

Babyface Pro FSに外部電源は必要?

Babyface Pro FSには別売のACアダプターを接続することができますが、結論として多くのユーザーにとってそのような外部電源は必要ありません。

以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。

おすすめの周辺機器やスタンドは?

Babyface Pro FSにはサードパーティメーカーによって周辺機器がいくつか販売されています。

その中でも特におすすめなのが、本体に使用する卓上スタンドで、以下の記事で詳しくレビューしています。

内蔵のEQ/ディレイ/リバーブはついてる?

Babyface Pro FSは専用のTotalMix FXと組み合わせることで、EQ/ディレイ/リバーブの使用が可能です。

TotalMix FXのEQ
TotalMix FXのディレイ/リバーブ

ディレイとリバーブはシンプルなパラメータながら使いやすく高音質で、ボーカル録音の際のモニタリングで雰囲気が出るので重宝しています。

内蔵のコンプレッサーはついてる?

Babyface Pro FSには内蔵のコンプレッサーが付いていません。

そのためTotalMix FXを使用して、コンプレッサーの掛け録りはできません。

Babyface Pro FSはiPhoneやiPadに接続して使える?

Babyface Pro FSはCCモード(クラスコンプライアンス・モード)によって、iPhoneやiPadに接続して使うことができます。

またiPad専用にTotalMix for iPadというアプリも用意されており、これを使うとPCと全く同じ使い勝手でBabyface Pro FSを使った録音やモニタリングができます。

Babyface Pro FSは発売後に値上げした?

Babyface Pro FSは発売後に何度か値上げをしており、発売当初は10万円弱でしたが、2023年に約14万円になっています。

オーディオインターフェイスに限りませんが、コロナ禍やウクライナ情勢によって、製造コストが上がったり、輸入品の流通が遅れたりしているのが理由のようです。

そのため、中長期間に渡って、値上げする理由はあっても、値下げする理由はないので、迷っているのであればすぐ購入することをおすすめします。

Babyface Pro FSがずっと品切れで売っていないのはなぜ?

Babyface Pro FSは度々品切れ状態が続くことがあります。

理由としては、前述のコロナ禍やウクライナ情勢もありますが、噂によると、旭化成工場火災の影響で、Babyface Pro FSやその他のオーディオインターフェイスに供給する汎用DACチップ足りなくなってしまったようです。

一時期サウンドハウスで、入荷の見通しが立たないという理由で、Babyface Pro FSが販売停止になっていました。(現在は流通が安定しています。)

そのため在庫を見つけたら、結構ラッキーな方だと思います。

まとめ

オーディオインターフェースを良いものへ変えると、録音とモニタリング環境の両方をアップグレードできます。

もし1~2万円のエントリークラスのI/Oを使用しているベッドルームミュージシャンの方は、この機会にBabyface Pro FSのようなハイエンドな宅録環境を検討してみてはいかがでしょうか?

また以下の記事では、Babyface Pro FS以外の高音質なオーディオインターフェイスを紹介しているので、併せてご覧ください。

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