DTM・録音用モニターヘッドホンの選び方【おすすめ5機種】

モニターヘッドホンの画像

「モニターヘッドホンって必要なの?」、「たくさん種類があって何を選べばいいかわからない」と悩んでいませんか?

モニターヘッドホンには様々な用途があり、ライブでのモニタリング、ミックス・マスタリング、レコーディングなど一つ持っておくだけでとても幅広く活躍してくれます。

この記事はモニターヘッドホンの選び方とおすすめ5機種を紹介します!

モニターヘッドホンに求められる要素

ヘッドホンとラップトップ

普段私たちが音楽鑑賞用に使用しているリスニング用のヘッドホンと比較すると、モニターヘッドホンは選ぶ観点が違います。

ここからモニターヘッドホンを選ぶ際に必要な要素を紹介いたします。

装着感

装着感は絶対に無視できない要素の一つです。

基本的にモニターヘッドホンは長時間の作業を想定して作られていますが、どうしても人それぞれ頭の形は違います。

必ず試聴を行って、自分の頭とフィットするかどうか確認しましょう。

リスニング用はファッションアイテムの一部としてオシャレな機種がたくさんありますが、デザインの良さと装着感の良さは比例しません。

逆にモニターヘッドホンはデザインに色気がないモデルが多いですが、その分長時間使用していても疲れにくいものが多いです。

聴き疲れしないか

リスニング用のヘッドホンは派手に味付けをされています。

低音がドスドス聴こえたり、広音域が派手に鳴ったり‥‥

そういった音はカッコいいのですが、長時間聴くとどうしても耳が疲れてしまいます。

実は解像度の高さと聴き疲れはトレードオフの関係にあることが多く、必ずしも解像度が高い=良いことではありません。

もちろん解像度が高いと今まで聴こえなかった音が聴こえますが、反対に高音域が耳に刺さるようになるので、ちょうどいいバランスが望ましいです。

フラットな音質

モニターヘッドホンの画像

モニターヘッドホンは基本的には味付けが少なく、フラットな音に聴こえるように設計されてます。

ただこのフラットという部分に過剰に執着しないほうがいいです

定番モデルのSony MDR-900stがこの世の全ての音の基準であるかのように勘違いをしている人が多いですが、基準の音は時代や技術の発達によって変化します。

900stの解像度の高さは素晴らしいですが、全ての帯域が完璧にフラットかつモニタリングしやすいかと言われればNOです。(最近の音楽の音圧や低音の鳴りに対応していない気がします。)

完璧なヘッドホンというのは存在しないので、得意分野の違うヘッドホン2つ+モニタースピーカーさえあれば問題ないと思います。

要は様々なリファレンス環境を複数試すのが理想ですね。

定番機種であること

定番機種であることのメリットは修理パーツが容易に手に入りやすいからです。

ほとんどモニターヘッドホンは断線した時にリケーブルが可能だったり、イヤーパッドが単品販売されています。

リペアを繰り返すことで長く使うことができることも、良いモニターヘッドホンとしての条件です。

また傾向として市場で人気のあるモニターヘッドホンは壊れにくいモデルが多いです。

特にDJやレコーディングで使用する場合は大事な場面で壊れることが許されないため、耐久性がなければお話になりません。

おすすめのモニターヘッドホン5機種

それではここから筆者がおすすめするモニターヘッドホンを5つ紹介します。

今回紹介する5機種は得意分野・価格帯が明確に区別されており、同時に2~3機種を所有しても役割が被りにくいように選定しております!

何を買えばよいか迷っている方はここから選べば大丈夫です!

Apple EarPods

最初に紹介するのはApple純正のイヤホンEar Podsです。(これ大真面目に書いてます。)

モニターヘッドホンとは、今自分が作っている曲がどんな機器・環境で再生されても、音が破綻しないミックスに仕上げるためにあります。

もちろんフラットな音質のヘッドホンでモニタリングすることも大切ですが、大多数の人間が聴くであろう環境を想定することも大切です。

いくらモニターヘッドホンといえども、モデルによって音の傾向は微妙に異なりますし、結局モニタースピーカー無しでは成り立たないので。

もちろんこれ単体でミックスは不可能ですが、数種類のリファレンス機の1つとして代替が効かない役割を持っています。

ATH-M50x

これからDJやDTMを始める人が楽器練習やリスニングにも使用したい場合は、こちらのオーディオテクニカATH-M50x一択です。

相当お金に余裕がないと、モニタースピーカーを購入してDTMを始める人は少ないと思いますが、これ一台で多目的に使えます。

最初の一台としては完璧な選択であると保証します。

私は「どんな目的にも使える!」や「リスニングにもモニターにも万能です!」みたいな謳い文句は経験上信用していないのですが、M50xにそういった器用貧乏的な要素は皆無ですね。

耐久性や装着感にも優れており、アメリカでは絶大なる人気を誇っています。

もし自分に子供がいて、音楽を始めたい!と言い出したらこれをプレゼントすると思います。

Sony-MDR7506

有名なモデルMDR-900stの兄弟機種ですね。

海外では900stの代わりにこちらが定番として認知されています。

国内で定番と認知されている900stは音源の粗探しをするための機種であり、全ての音が近距離で鳴ってしまうためで音の奥行きを把握しづらいです。

聴き疲れも半端ないですし、なぜこんなにも多くの人が最初のヘッドホンに900stを選んでしまうのかとても不思議です。

この7506は900stのそういった部分がマイルドに調整されており、低音のモニタリング性能も向上しています。

長時間使える、音の距離を正確に把握する、ほぼ諭吉1枚で買える、という点が900stよりも優れているので、オーテクのM50xが少し高いと感じる人は、最低限このレベルのヘッドホンを買えば幸せになれます。

MDR7506ついては単独でじっくりとレビューを書いているので以下の記事もご覧ください!

MDR7506のハウジング

Beyerdynamic DT770 Pro

ベイヤーダイナミックの定番モデルDT770です。

ライブのモニターとしても使用されていることが多く、海外では7506とDT770の二つを異常なほどよく見かけます。

音の傾向は豊かな低音と抜ける高音が特徴的で、ドンシャリっぽいですね。

遮音性も高くボーカルや楽器の録音時のモニタリングに最適だと思います。

イヤーパッドがモコモコしていて装着感が非常に快適です。

以前は25000円くらいしましたが、2019年現在値段が下がってきているので狙い目です。DTMや楽器の練習用途であれば80Ωのモデルを選べば間違いなしです。

DT770ついては単独でじっくりとレビューを書いているので以下の記事もご覧ください!

DT770の画像

Sennheiser HD650

こちらはドイツの名門ゼンハイザーの開放型ヘッドホンHD650です。

元々モニター用のヘッドホンとして発売されたわけではなく、一般的にはリスニング用として市場で売られています。

解像度、音場、定位感全てにおいて文句無しのヘッドホンで、アーティスト達からジャンルを問わず支持されている定番モデルです。

聴き疲れもありません。生音系の音楽にビシッとハマるイメージを持っていますが、意外とEDM系のDJが制作で使用していることにビックリしました。

最近後継機が発売されましたが、そちらはあまりモニター向きではないそうで、このモデルの需要はまだまだ衰えないんじゃないかと。

HD650ついては単独でじっくりとレビューを書いているので以下の記事もご覧ください!

HD650の画像

最後に

いかがでしたか?

もっと当たり障りのない記事にしようかと思いましたが、こういうテイストの方が個性が出て良かったのかなと思います。

誤解の無いように付け加えると900stは名機です。レコーディングした楽器やボーカルの意図しない歪みやノイズなどの”粗探し”においては文句の無い働きをします。

ただこれ一つでミックスやマスタリングを済ますのはおすすめしません。必ずモニタースピーカーと併用しましょう。

自宅であまり大きな音を出せない900stユーザーにはHD650がおすすめです。それぞれの得意不得意を補うことができます。

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