唯一無二かつスタンダードである理由とは? ProCo RAT2 Distortion【レビュー】

※こちらの写真はイケベのオリジナルモデルなので筐体が白ですが、通常販売されているモデルは黒のボディです。また、現行品は変換プラグが不要なため付属しません。

もはや説明不要のペダルでしょうか。

ディストーションといえばBOSSのDS-1かRATというレベルで定番です。

Jeff Beckのほかたくさんのミュージシャンに使われています!

他の使用者にはAlex Turner(Arctic Monkeys)、我らがNoel Gallagher、三大シューゲイザーのSlowdive、変わり種だとファンクベーシストのBootsy Collinsなんかがいます。

スタンダートなペダルではあるものの、なかなか個性的です。

その個性の秘密を探っていきましょう。

ProCo RAT2 Distortion

古いペダルですが、結構歪みますねー。

でも、ニューメタル的なドンシャリ・ハイゲインサウンドではありません。

激しさの中にもマイルドさを感じます。

低~中音域が気持ちいいですね。

ちょっとファズっぽいかんじもあるでしょうか。

クラシックロックやオルタナティブロック向きでしょう。

筆者はこのペダルでNirvanaやアルバム『AM』期のArctic Monkeysを弾いて楽しんでいました。

ハムバッカー、シングルコイルなどピックアップの種類を問わず気持ちよく歪んでくれます。

単純明快なコントロール

コントロールはDistortion、Filter、Volumeの3つです。

FIlterを右に回すほど角がとれて(=高音域が削れて)いきます。

このFilterがサウンド作りの肝ですね。

Distortionは一番左に回しても若干歪みます。

なんせディストーションペダルですからね。

でも、中音域が良い感じにブーストされるので、ブースターとして使っても面白いと思います。

筆者のストラトキャスターはアッシュボディにメイプルネックのシングルコイルで、何もしないでもなかなかキンキンします。

ですから、たとえフロントピックアップを使ったとしても、Filterを一番左にしてしまうと少し耳障りでした。 

右に回して少し高音域を削ってやることで、ちょうどいいウォームなサウンドになります。

一方、ハムバッカーのギターで使うときには、Filterをかなり開いてしまっていいでしょう。

改善された電源周り

こちらの画像をご覧ください。

普段、皆さんがMXRやBOSSの現行ペダルに電源を繋ぐためには、この黒いプラグ(2.1mmセンターマイナス)を使うと思います。

ところが以前のRAT2は3.5mmセンタープラスという規格だったので、対応するパワーサプライを使うか、青いプラグのような変換機構を挟まないといけませんでした。

それも今では改善されて、センターマイナスのプラグが使えるようになりました。

新品の場合はめったにないと思いますが、古い規格の在庫が流通していることもあるようですので、お買い求めの際にはご確認ください。

なお、ヴィンテージのRAT2にいたっては電源規格が古いうえ、ON/OFFのライトがそもそもなかったりします。

長年愛されているペダルなだけあって、時代とともにアップデートしているようです。

まとめ

ニューメタルに対応するような現代的なディストーションペダルが欲しい方は、他をあたってください。

このペダルはやはりクラシックロックやオルタナティブロック向きです。

もちろん、使い方次第だとは思いますが…。

そこを踏まえたうえで用いれば、このペダルでしか出せない、ウォームかつ激しいサウンドはきっとあなたを虜にします。

あのJeff Beckも魅了されたほどです。このペダルの持つポテンシャルは相当高いですよ。

万能で現代的なペダルもいいですが、Rat2のような唯一無二のペダルは、やはり替えがきかないですよね。

10年以上ギターを弾いていますが、エフェクターボードに長年鎮座するペダルって、結局はそういうペダルですね。

記事のタイトルとURL をコピーする