最近は自宅用の小型アンプやアンプシミュレーターも充実してきていますが、どこかデジタル臭かったり音のレスポンスが遅かったりとなかなか理想のアンプ・アンシミュには出会えないですよね、、、
今回紹介するペダル型アンプシミュレーターStrymon IRIDIUMはもはや本物のチューブアンプと区別がつかないサウンドクオリティーでしかも持ち運び可能な小型サイズのアンシミュです。
市場で販売されているアンプシミュレーターの中ではダントツで音が良く、その魅力を隅々までレビューをしたいと思います!
目次
strymon/IRIDIUM
Iridiumにはエレキギターの歴史を語る上で外せない3つのアンプのモデリングが入っています。
- Round Amp = Fender Deluxe Reverbのモデリング
- Chime Amp = Vox AC30 Brilliant channelのモデリング
- Punch Amp = Marshall Plexi (Super Lead model number 1959)のモデリング
①のデラリバはキラキラしたクリーントーンを非常に上手く再現しており、一番気に入っております。
高音域の煌びやかさも素晴らしいのですが、ミッドレンジ周りのプリプリ感の再現性が他のアンプシミュレータよりも頭一つ抜けています。
②のAC30はまさにビートルズのあの音が出ます。
素のサウンドも素晴らしいですが、ファズを繋げた時の挙動がオリジナルに近くて感動しました。
歪みエフェクターとアンプの相性を簡単に確かめられるのもアンプシミュレータの強みです。
③のプレキシのモデリングでは、レスポールを繋ぐともろジミーペイジの音が出ます。
歪みの量もオリジナルよりも可変幅が広く、Gain3時以降はVan Halenに代表されるような改造マーシャルのサウンドに近づきます。
さらに下記の通り9種類のステレオIRキャビネットを収録しています。
※各アンプモデリングに対してそれぞれ3種類ずつ
- Round Amp
→Deluxe Reverb® 1×12″ by OwnHammer
→Blues Junior® 1×12″ by cabIR
→Vibrolux® 2×10″ by cabIR - Chime Amp
→AC30 2×12″ AlNiCo by OwnHammer
→1×12″ AlNiCo by Celestion
→Mesa® 4×12″ by Valhallir - Punch Amp
→GNR 4×12″ by OwnHammer
→2×12″ Vintage 30 by Celestion
→Marshall 8×12″ AlNiCo by cabIR
キャビネットによって音のキャラクターが全く異なるので色々試してみて理想のサウンドを見つけましょう。
※工場出荷時には上記のIRキャビネットの組み合わせとなっていますが、「STRYMON IMPULSE MANAGER」というソフトを使用するとIRを入れ替えたり新しいものを追加することができます。
ちなみに設定でIRIDIUMのアンプ部分のみ、キャビネット部分のみを使用することができます。
圧倒的にシンプルな操作性
ツマミはLEVELとDRIVE(歪み量)と3バンドEQにROOM(後述)で合計6つしかありません。
今回StrymonのIridiumを購入するにあたり、HX StompやKemperのフロア型など、
いくつか競合となりそうなアンプシミュレータを試奏してみました。
その中で私がStrymonを選んだ理由は「操作性」に感動したからです。
ぶっちゃけ歪みの音に関してはほぼ好みの問題ですね。
HX StompやKemperはアンプシミュレーターとしてではなく、マルチエフェクターとしての機能も充実しているので、サイズや価格面でもIridiumより大きい/高いです。
アンプのモデリングは3種類と少ないですが、デジタルパネルを弄ることなくペダルのツマミで素早く音作りが行えるのがIridiumの強みです。
また手持ちの空間系や歪みペダルと組み合わせることを考えると、マルチエフェクター としてではなく、単純にペダルサイズのアンプシミュレーターとしてそのままエフェクターボードに追加できる点もGOODでした。
FAVスイッチでお気に入りのプリセットを登録することもできます。
歪みエフェクターを踏む感覚でアンプを切り替えるなんて贅沢な時代になったな、、、と思います。
ルームアンビエンスで部屋鳴りを追加しよう!
こういったアンプシミュレーターの宿命である「ライン臭さ」
どうしてもヘッドホン経由や自宅レベルの音量だと音に立体感が無くなってしまいますよね。
バッファや真空管が入っているブースターなどで対策しているギタリストも多いと思います。
このIridiumはRoomツマミを動かすことで「部屋の鳴り」を追加することができます!
リバーブに近いですが、スタジオやステージで大音量で弾いてるかのような臨場感を味わうことができます。
Strymonの空間系は間違いないので当然期待していましたが、その期待を軽々と超えてきましたね!
オススメです。
※TRSケーブルでステレオ出力にも対応しています。
またXLRではなくあえてラインでの出力となっているため、IRIDIUMの後段に空間系を接続することが可能です。
ヘッドフォンアウト、エクスプレッション/MIDIコントロールも搭載されています
IRIDIUMにはヘッドフォンアウト(ミニプラグ)が搭載されているので、自宅練習やスタジオでのモニタリングも安心です。
また300までのプリセット登録や各ツマミの操作もMIDIで行えます。
さらにエクスプレッションペダルを接続して歪みの量をコントロールすることも可能です!
Iridiumではできないこと/デメリット
Iridiumに搭載されている3つのアンプタイプはクラシックなチューブアンプをモデリングしているので、単体でメタル系の深い歪みを作ることはできません。
そのためハイゲイン系の音作りを目的とする場合は別途歪みペダルを用意する必要があります。
またIridiumはDSPチップという演算処理に特化した部品で作られているため、スマホやパソコンの需要とダイレクトにバッティングします。
その結果人気商品ということもありよく品切れになっています。
筆者も品切れが続いている中やっと注文ができたので、欲しい方はこまめに在庫をチェックしておきましょう。
まとめ
このアンプシミュレーターはヤバイです。
HX STOMPも業界を賑わせたヒット商品ですが、アンプのシミュレーターという機能のみに注目するとIRIDIUMの方が上かなと思いました。
大アンプシミュレーター時代の幕開けです。
是非店頭で一度試奏してみてください、、、、、、
Strymon純正のMULTI Switch Plusを使えば3つのプリセットを瞬時に切り替えることができます。(しかもTimelineやRiversideなどの他のStrymonペダルのプリセットも同時に切り替え可能なんです!もう重いスイッチャー要らないですね、、、、)