おすすめオーバードライブエフェクター10機種をタイプ別に徹底比較!

歪みエフェクターが複数台並んでいる画像

ほとんどのギタリストが一度は購入するであろうオーバードライブですが、個人的には選ぶのが一番難しいエフェクターだと思っています。

星の数ほどのメーカーからオーバードライブが販売されていますが、「たくさん種類があってどのオーバードライブを選んで良いかわからない」、「TS系とかダンブル系とか色々あるけどカテゴリ毎の違いがわからない」と悩んでいる人が多いのではないでしょうか。

本記事では市場にある数多くのオーバードライブをカテゴリ別に解説し、それぞれのオススメモデルもご紹介します!

ここにまとめてあるカテゴリを知れば、自分に必要なオーバードライブが必ず見つかります!!

TS系

まず最初に紹介するのはオーバードライブの中でも特に有名なカテゴリがこのTS系です。

日本のIbanez(アイバニーズ)社から発売されたTube Screamerのイニシャルを取ってTS系と呼ばれています。

サウンドの特徴としては少しだけ中音域が前に出て、音にいい感じのハリが出ます。

ゲインやボリュームを無理に上げなくても音の存在感が増すため、ギターソロに最適です。

またゲインをほとんど上げないでボリュームだけMAXに近い位置まで上げることで、真空管アンプを自然に・太く歪ませることができます

※オリジナルモデルも真空管(Tube)を叫ばせる(Scream)という意味で、チューブスクリーマーと名付けられています。

TS系オーバードライブについてはこちらで詳しく解説しているので以下の記事もご覧ください!

チューブスクリーマーとギターアンプ

Ibanez ( アイバニーズ ) / TS808 ギターエフェクター チューブスクリーマー

TS系でオススメなのが本家Ibanezの元祖チューブスクリーマーのTS808です。

実はチューブスクリーマーにはTS10, TS9、Tube Screamer Miniなど数多くの派生系があります。

その中でも1980年代に最初のオリジナルモデルとして発売されたTS808が、良くも悪くも一番TSっぽいキャラクターを持っていてます。(具体的には一番中音域のブースト具合が顕著です)
※現在新品で流通しているものは復刻版になります。

TS808については単独でじっくりとレビューを書いているので以下の記事もご覧ください!

EARTHQUAKER DEVICES ( アースクエイカーデバイセス ) / Plumes Overdrive

次に紹介するTS系エフェクターはEarthquaker DevicesのPlumesです。

こちらのモデルは伝統的なTSサウンドを踏襲しつつ、トグルスイッチを切り替えることでクリーンブースター or マーシャル系の歪みの合計3種類のサウンドを使い分けることができます。

曲によってはTS系以外の使い方をしたい、1台でいろんなジャンルに対応したいギタリストにオススメです。

プレキシ系

超有名アンプメーカー Marshall(マーシャル)社が1960年後半に販売していたビンテージアンプのことをプレキシアンプと呼ぶことから、それにインスパイアされた歪みエフェクターのことをプレキシ系と呼びます。

サウンドの特徴としてはエッジが立っていて、まさに一般的にイメージされるギターの歪みのイメージに一番近い音が出ると思います。

芯のある太い音を出しながらも高音域の存在感が強く、実際の歪み量よりも歪んで聴こえるのでピッキングニュアンスに忠実に反応してくれます。

ブルースからハードロックまで歪みを多用するジャンルで王道のロックサウンドを奏でたい人にオススメです。

1980年代にはEddie Van Halen(エディ・ヴァン・ヘイレン)がプレキシマーシャルを改造してさらにハイゲインな音を出していました。

BOSS ( ボス ) / ST-2 ディストーション・オーバードライブ

プレキシ系でオススメなのがBOSSのST-2になります。

個人的に2000年以降に発売されたBOSSのペダルの中で特に推したい名機です。

ゲインを上げても音の芯が失われず、上記のVan Halenのような改造プレキシマーシャルくらいまで歪みます。

とりあえずこれさえ持っていけばスタジオのトランジスタアンプで歪み量を稼ぎたいときに重宝します。

BassとTrebleの2バンドイコライザーが付いているので、低音を強調したい時やシングルコイル/ハムバッカーの持ち替えにも比較的対応しやしところもグッドです。

ダンブル系

幻のビンテージアンプのDumble Ampにインスパイアされたオーバードライブをダンブル系と呼びます。

サウンドの特徴としてはクリーントーン〜クランチで弾いた時のレスポンスが尋常じゃなく速いです。

Fender社のアンプに似て音に透明感があり、聴いただけで一発でわかるくらい高級そうな音がします笑

1~3弦を弾いても4~6弦と同じくらい音に芯があり、ピッキングニュアンスも極端に出ます(初心者にとってはニュアンスが出過ぎるのでミスが目立つかもしれません、、、)

サウンドのカッコ良さがプレイヤーの演奏スキルに依存するので、個人的な偏見ですが中〜上級者が最終的に行き着くイメージがあります。

またブルースロックやR&Bのジャンルで使われるイメージが強いですね。

ダンブル系オーバードライブについてはこちらで詳しく解説しているので以下の記事もご覧ください!

MAD PROFESSOR ( マッドプロフェッサー ) / Sweet Honey Overdrive Factory

市場で人気のあるダンブル系だとこちらのSweet Honey Overdriveでしょうか。

非常に素直に歪みますが、歪み量を上げるとダンブル系独特のパキッとしたアタック感が感じられます。

ダンブル系のキャラクターの再現に全振りをしているわけではなく、Toneや歪みの量を調節することでメロウな曲からスピード感のあるブルース/ファンクまで幅広く対応できます。

筆者の印象では人によって全く使い方が異なる面白いペダルですね。

ケンタ系

状態の良い中古品なら何十万円もするような伝説的なビンテージエフェクターのケンタウロス(Centeur)にインスパイアされたエフェクターをケンタ系と呼んでいます。

サウンドは音と音が滑らかに繋がるようなクリーミーな歪みが特徴です。

倍音成分が上品に持ち上がるので、音のレンジ感が一気に広がります。

基本的に歪ませると音の粒が平坦になったり、レンジ感が失われますが、ケンタウロスの回路内では原音と歪みがミックスされているので音の存在感が失われません。

またオリジナルのケンタウロスにはバッファに特徴があって、バッファをONにするとエフェクターを踏んでいない時でもクリーントーンが結構変化します。(高音のレンジが広がって少しコンプがかかった感じになります)

ELECTRO-HARMONIX ( エレクトロハーモニックス ) / Soul Food ディストーション/ファズ/オーバードライブ

最近のケンタ系で一番のヒット商品はElectro-HarmonixのSoul Foodです。

まさにケンタウロス直径のクリーミーサウンド(というか本家そのもの?)で、本家同様バッファのON/OFFを切り替えることでペダルを踏んでいない時でも音に高級感がでます。

また値段が比較的リーズナブルなこともあり、超高級ビンテージエフェクターと同等の音が出せるオーバードライブとして大ヒットしています。

Walrus Audio ( ウォルラスオーディオ ) / Voyager

よくケンタ系として名前が上がるWalrus AudioのVoyagerですが、ケンタウロスのクローンと呼ぶに留まらない素晴らしいエフェクターです。

深く歪ませても音の分離感が全く失われないだけではなく、クリーンブースターのように音にハリを加える使い方もできます。

個人的な話で恐縮ですがデザイン・音・使い勝手の全ての面で筆者の1番のお気に入りです。

Voyagerについては単独でじっくりとレビューを書いているので以下の記事もご覧ください!

voyagerの本体画像

トランスペアレント系

比較的新しいカテゴリとして人気を博しているのがこのトランスペアレント系というジャンルです。

トランスペアレント(=透明)という名前の通りに、非常に素直で・ギターの音に味付けを加えることなく歪みを追加するのが特徴です。

ギターやアンプのキャラクターをそのまま活かしたい人にオススメです。

筆者のオススメのトランスペアレント系の使い方としては、歪んでいるかわからないくらいに薄ーーーく歪みをかけてクリーントーンを作ります。

そうすると一切歪んでいないクリーントーンよりも音の角が取れるので、バンドサウンドに馴染みやすくなります。

MXR ( エムエックスアール ) / CSP027 Timmy Overdrive

トランスペアレント系の話で絶対に外せないのがTimmy Overdriveでしょう。

こちらはこのカテゴリが誕生するきっかけになった元祖トランスペアレント系オーバードライブで、ギターやアンプの音を自然にドライブさせます。

オリジナルモデルは生産が終了していますが、オリジナル回路の設計者とMXRがタッグを組んでよりコンパクトなボディにして再現したモデルになります。

Walrus Audio ( ウォルラスオーディオ ) / WARHORN

本記事2回目の登場になるWalrus Audioのトランスペアレント系Warhonを紹介します。

こちらはTimmyのような正統派トランスペアレント系を踏襲しつつ、ケンタウロスのような原音ミックスを取り入れた前衛的なオーバードライブです。

またトグルスイッチでコンプがかかったサウンドとオープンでオーガニックなサウンドを切り替えることが可能で、より幅広い守備範囲を持った現代的なエフェクターです。

その他

全てのオーバードライブが何かしらのカテゴリに分類できるわけではありません。

ここでは上記のカテゴリには当てはまらないがその唯一無二サウンド・使い勝手の面で確実に抑えておきたいオーバードライブをご紹介いたします!

BOSS ( ボス ) / BD-2 Blues Driver オーバードライブ

今更説明する必要がないくらい有名なペダルですが、BOSSのBD-2も紹介しておきます。

音の特徴としては中高域が目立ったブライトさがあり、プレキシ3割/Vox6割/ダンブル1割のミックスっぽいサウンドだと感じます。

オーバードライブとしては深めの歪みまでゲイン幅が対応していて、ゲインを上げてギター側のボリュームを絞ることで細かく歪み量を手元で操作する使い方がオススメです。

BD-2については単独でじっくりとレビューを書いているので以下の記事もご覧ください!

Boss BD-2の画像

Vemram / Jan Ray

音が前に出てくるし、レンジが広がって輪郭がハッキリするなどTS系やケンタ系の良いとこ取りのペダルがこのVemramのJan Rayです。

日本のエフェクタービルダーが制作し、Mateus Asato等世界中のブルース/ジャズ/ファンク/フュージョン系のギタリストに愛用されています。

比較的新しいエフェクターですが、国内外のプロギタリストがこぞって使用しているので名機として覚えておいて損はないでしょう。

Jan Rayについては単独でじっくりとレビューを書いているので以下の記事もご覧ください!

Jan Rayの本体画像

まとめ

いかがでしたか?

歪み系エフェクターといってもオーバードライブだけでもこれほどのカテゴリが存在しています。

もちろんどれを選んでも正解はありませんし、場合によっては複数のエフェクターを組み合わせて独自の音作りをしてみると良いでしょう。

例えばStevie Ray Vaughan(スティーヴィー・レイ・ヴォーン)はチューブスクーリーマーを二つ重ねていますし、John Mayer(ジョン・メイヤー)はダンブル系もケンタウロス系もTS系など様々なエフェクターを使い分けています。

本記事で自分の演奏スタイルにあったオーバードライブを見つけられれば幸いです。

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